2009-06-23 [長年日記]

_ [LIFE]  変質したオタク

岡田(斗司夫)時代の若者と、現代の若者で決定的に違うのは「時間」。
 
岡田時代のオタクの若者は、とにかく時間を注ぎ込むことができたんだよ。
社会に余裕があった時代だからね。
アルバイトやらイベントやらで大学時代や無職時代をすごしたとしても
将来の不安も今より少なかったし、世間の風当たりも強くなかった。
 
今はもう、大学生なんかは「就職活動の時にアピールできる材料を大学生時代に作れ」
みたいな空気に時間をつぶされてしまうんだよね。
もし庵野や赤井や平野や山賀が現代の大学生だったとしても、DAICON4を作れるとはとても思えない。
 
「おたくのビデオ」っていう、ガイナックスのOVAがあるんだが、あれを見ると
本当に当時のオタクってのは恵まれていたと思うよ。
とにかく「情熱を注ぎ込める時間や余裕」というものは貴重だったと思う。
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51290041.html
きっかけは最近のオタクの若者に抱く違和感だという。
「新製品の発売を待つだけで楽に快楽を得ようとし、
自分の好きなジャンルから少しでも外れると関心がない。
消費するばかりの存在。かつてオタクが共有した価値観は失われたのです」
  
 岡田さん世代のオタクは、世間の多数派とは違う「好きなこと」を自分で掘り起こし、
世間の目に対抗する知性と精神力を備え、社会人生活も営んでいた。
実は強い自負心と社会性を持つ「貴族」だったのだと。
  
 その変容の理由は「社会全体の変質にある」という。
「経済成長と勤勉な国民性のもとで咲いた花がオタク。
経済が行き詰ると皆が大人になりたがらず、
自分の気持ちが何より大事な私至上主義となり日本は変わった。
本書は日本人論でもある」
オタキングこと岡田斗司夫氏は、 [ ゼネラルプロダクツ ] 時代から憧れであった。
ゼネプロからは、小遣いを貯めてはガレージキット(当時はヒートプレスが主流)を買ったものだ。
引用した意見に、オレは共感を覚えるね。

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